老いと花

還暦まであと1年半、日々の出来事や思い出を気ままに綴ります。

すばらしい獣たち


 昨日、ハリーポッターの番外編のような映画を観てきた。これまで子供が楽しむものだと思っていたが、映像の迫力に圧倒され続けた。思い立って観に行ったのは、主人公が動物学者だと何かで読んだからだ。子供時代の私の夢は、ドリトル先生になる事だった。彼のように動物と話せる事は、何よりもすばらしい事のように思えた。その本名が Dr. Do Little (ほとんど何もしない先生) だと知ったのは、随分後になっての事だったが。
 世の中には、私と同じような夢を持ち実現させた人たちもいる。アメリカや日本で飼育下のゴリラやチンパンジーに手話を教え、意思疎通を図る試みはすでに行われているそうだ。もし私が彼らと手話ができれば、最初にこう尋ねてみたい。「人間の事をどう思いますか?」そして彼らから同じ質問を受けたら、こう答えるだろう。「動物の中で一番、残酷です。」と。
 ウクライナで、亡くなった女性の背中に縛りつけられていたその子供(生きていた)の紐を切断したところ、地雷が爆発したという。(ウクライナ人外交官による英文ツイート)なまじっかの想像力を軽々と超える非道な行為は、私たち人間によってしかなしえない。今ほど、人間である事がどのような意味を持つのかが問われている時もないだろう。可愛らしい聖獣チリン(字幕ではなぜかキリン)や魔獣カモノハシを思い出しながら、そんな事を考えている。(写真は photo library https://www.photolibrary.jp より)