老いと花

還暦まであと1年半、日々の出来事や思い出を気ままに綴ります。

かつぐ女


 今日、クリーニング店に出しておいた冬用の掛け布団を取りにいった。受け取った瞬間、
とても軽くなっていたので驚く。ひょいと肩にかつぎ歩き始めながら、いつかもこうして何かをかついで歩いた事を思い出した。
 3年ほど前の年末、都内のある公園まで家を持たない人たちに使ってもらおうと、自宅から毛布をかついで、ついでにキャリーバッグに敷き毛布を入れて持って行ったのだった。バスと電車で1時間半ほどかかったと思う。車内や行き交う人々の、ぎょっとした顔。さすがに少し気が引けたが、無事、公園に到着した。かついで持参した理由は、単純に郵送費を惜しんだからだ。公園で越冬準備をしていたのは、ほとんどが中高年の男性で、車いすに座った方もいた。
 家を持たない人たちについては、実際に20年近く彼らを支援している友人から時々、話を聞いてきた。皆、一生懸命生きてきた。一生懸命ではなかった時もあったかもしれないが。それは家を持つ人も同じだろう。だが、つまずいた時、私には保護者がいたが彼らにはいなかった、あるいはいたとしても、助けにはならなかったのかも知れない。友人が支援していた方は、ハッピーという名前の白い犬を大切にされていた。
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